代々木ではたらく

これからの働き方を考える

無駄はなぜ魅力的なのか、

こんにちわ、よしけです。東京は曇天&雨降りの日が続いています。気がつけば梅雨入りしていて、コロナ自粛でダウナーになった気分に追い打ちをかけますね。この湿度はVSコロナに有効だったりするんでしょうか。しかしながら何ヶ月も自粛に耐えられるわけもなく、緊急事態もアラートももはやあまり意味をなさなくなり、感染者は大幅な減少も見せないまま、なし崩し的に、うやむやに、ぼんやりと、なんとなく、ぬるっと自粛解除された街で、平時っぽいが微妙にどんよりとしたしめっぽい空気が漂う毎日に気づかせてくれたのは梅雨入りのアナウンスだったのかもしれません。今年は完全に春を失ってしまいました。気づけばコロナガーとか言いはじめて4ヶ月くらい経ってしまいましたね。僕たちは無駄な日々を過ごしてしまったのでしょうか?

 

無駄なことにこだわっていいのか問題

先日夜、たまたま見ていたTV番組で「無駄なことにこだわる」という話題が取り上げられていました。プロのアーティストの人が出ていて、自分の作品についてのこだわりを語っていました。「無駄なことにこだわる」ことってたびたび話題になりますよね。なぜ、無駄なことにこだわるのか。それって意味があるのか?「無駄」って自ら言ってますけど?じゃぁ、本当の「無駄」ってなんなの?って話になりかねません。僕もこの問題についてちょっと興味があり、考えてみることにしました。

 

無駄とはなにか?

そのアーティストは舞台に飾る彫刻を作っていて、お客さんから絶対に見えない部分もこだわって作っていると言っていました。お客さんから絶対に見えない部分というのは、絶対見えないんだから作っても意味がないですよね。納期や予算がある仕事だったら、見えない部分に時間と金を使っていたらいくらあっても足りませんし、発注したクライアントもおこでしょう。「なんでそんな意味のない場所にこだわるんや」「自己満足はプロとしていかがなものか」「目的を最適に達成していない」そんな声が聞こえてきそうです。もし、僕がこんな無駄なブログを書いていることが上司にバレたらどうでしょう。「仕事やらないで何無駄なことやってるんだ」「1円も売り上がらないブログに時間使うバカ」「命の盛大な無駄」とか言われるんでしょうね。そうですね、無駄なんですね。何の意味もなさない。それが無駄です。掃除もそう。1年に一回もどかさないものの下を掃除しても意味ないですね。だってそこ絶対誰も見ないんだもん。

 

人はなぜ無駄に惹かれるのか?

TV番組のアーティストの話に戻りますが、そのアーティストはなぜそんなに無駄なことにこだわるのでしょうか?僕も無駄が悪いとは思いません。漠然と「なんか無駄っていいよね」って思っています。ゆとり?自由?贅沢?意識高い?ホワイトスペース?なんか漠然とそう思っています。なんかいいですよね。無駄なことって。誰かが「人間には愚行権がある」って言っているのを聞きました。愚かなことをする権利です。面白いですよね。合理的にやればいいのに、それが正解とわかっていながら、なぜか愚かなことをしてしまう。タバコが体に悪いことを知りながら吸ってしまうし、酒に酔ったらすごくバカになるのに飲む。夜更かししたら明日起きられないのにネットフリックスを見る。多目的トイレに他人と入ったら大変なことになると分かっていても入る。愚かなことだとわかっていてもやる。無駄なことって不思議な魅力があるのですね。

 

無駄なことが輝く時

無駄なことをただの不思議な魅力だけで終わらせないのが、アーティストの力だと思います。無駄なことをぼんやりした説明のつかない何かで終わらせていたら、それこそ無駄なことですし、それこそ納期や予算を返せということになってしまいます。無駄なことがなぜ良いのか?という問いの本当の答えは、「無限を内包している」ということだと僕は思います。底しれぬ何かを仕込む、それにいつか気づくということ。万が一、絶対誰も見ないはずの場所が、不意に表にでてしまったとしましょう。それを見た時、「え?ここもちゃんとしてるの?マジ?」という驚きが起こるはずです。そうなると人は想像力をめちゃくちゃ刺激されることでしょう。「じゃぁあの裏は?」「あっちの後ろはどうなっているの?」「そっちは?」とどんどん勝手に想像していきます。そしてマジで完全に神でも見ることのできない細部にまで想像が至り、「こっちがあんな素晴らしいなら、あっちも素晴らしいに違いない」と勝手に評価が上がっていきます。想像、妄想、憶測でガンガン評価が上がっていきます。それはもう100点満点どころではなく、5000兆点をはるかに超える無限の世界です。「無限の力」これが「無駄」の本当の姿なのです。

 

無限の力を得るには

ただし、これには注意が必要です。本当の無駄となるか、無限の力となるかには一定の基準があります。まず100点を取っていることが前提。100点カンスト時に初めてアンロックされる追加点要素なのです。80点しか取れていないのに、無駄なことをしていたら逆にマイナスになること確実でしょう。「仕事も満足にクリアできてないのに何やっちゃってんの?」って感じです。+20点でトータル100点とはならないのです。ベースの仕事を納期に収め、予算に収め、100点のクオリティを出して初めて、無駄なことに着手してください。もし、僕が仕事を完璧にこなした上でこの無駄なブログを、この501記事に及ぶ無駄なテキストを上司が見た時、底しれぬ恐怖に対峙することでしょう。「なにをやってんだこいつは?」と。そこに無限の力を発見することになるのです。繰り返しにはなりますが、100点が確定するまで多目的トイレに他人と一緒に入ってはいけません。愛するべき人の人生に寄り添い、その命が尽きるまで100点は確定しないのですから。くれぐれもお願いします。