代々木ではたらく

これからの働き方を考える

リモートワークは本当に成功したのか問題、

「人間はひとりでは生きていけない」というのが本当ならば、真のリモートワークは達成されないのではないかと思います。

 

こんにちは、よしけです。東京は気持ちの良いお天気が続いています。季節はとうとう秋になってしまいましたね。新型コロナウイルスが日本で流行りだしたのが2月くらい。季節としてはもう少しで1周回ってしまいます。早いものですね。時が止まったような感覚で、数ヶ月の記憶がないというか、全部なかったことになってしまうような、そんな気さえします。が、まぁでも振り返ればいろいろありましたね。船がバイオハザードみたいになったり、オリンピックを延期してみたり、有名人がコロナになったり、緊急事態になったり、マスクがなくなったり配布されたり、ついでに10万配ったり、アイドルのドキュメンタリーが流行ったり、台風がきたり、どうぶつの森が流行ったり、レバノンとか温野菜が大爆発したり、将棋強い人、テニス強い人、PS5の予約が大変なことになったりとか、総理大臣が変わったり、バイクで事故ったり、振り返ればまぁまぁいろいろありましたね。そんななか生き残っている僕たちはまぁまぁよくやっているんじゃないでしょうか。

 

2020年いろいろあったよねーっていう話がしたいんじゃなくて、リモートワークについて話したかったのでした。今どれくらいの人たちがリモートワークをやっているのでしょうか?。で、その人たちの中で、真にリモートワークが功を奏した事例はどれくらいあるのでしょうか。僕の会社も3月からリモートワークをずっとやっていて、もはや永遠にこのままなのか?みたいな空気が流れています。最初のころはやはり難しいことが多く、こりゃ無理だなと思っていたのですが、3ヶ月くらいたったあたりから、あれ?これいけるか?みたいな感じになり、半年過ぎた今、全く問題ないのでは?という状況にまでになっています。売り上げで言っても同様の感じで最初の1〜3ヶ月はお釈迦ポンだったのに、今では元の水準まで戻ってきました。あーーーよかっためでたしめでたし。これで僕たちは新しい生活と新しい仕事のスタイルを獲得したね!未来最高!、、、、、って話ではないのでここでまた掘り返しているわけです。

 

で、何を懸念しているのかと言えば、「リモートワークは真に仕事の生産性を上げるのか?」ということです。1つ目は、もし真に仕事の生産性が高まるのであれば、結果が出るはずです。でてますか?あがってますか?具体的な数字でそうなっていますか?「コロナだからしょうがない」とか寝ごと言ってませんか?長期的に右肩上がりの成長をすることができますか?僕はちょっとそれが疑問です。もちろん業界によって違いがあるでしょうけれど、僕の主観では疑問ですと言いたい。リモートワークによって何が変わるかと言えば、わかりやすいところで言えば、通勤や無駄な会議、無駄な移動など、なにも生産していない時間が必要なくなるということでしょう。過去の世界で無駄に消えていた時間を有効に使えるという論調です。ストレスが軽減されるし、その時間を違う活動に使うことで、生産性が上がるといいます。で、それ、仕事上の成績として数字で帰ってきましたか?個人レベルの範囲で「生産性が上がった」のでは話になりません。仕事のちょっとした隙間に洗濯物を干したりできるとか、移動がなくなった分だけ、朝起きるのが遅くていいとか、退勤した瞬間に自炊が開始できるとか、仕事の成果とは全く関係のない個人レベルの生産性の話ではありません。キミの自宅のハンモックはどんな価値を産むのか?さらに言えば、生産性が「上がる」というのは元の水準に戻るということではありません。元の水準以上のパフォーマンスがでなければ、生産性が上がったとは言えないのではないでしょうか?通勤がなくなったけど、同じ成績では意味がありません。それ以上の結果をだしてください。個人の生活がちょっと楽になったかわりに、仕事の円滑な進行、細かなフォロー、ケアなどが消えました。部下サイドのストレスを軽減するかわりに、上司サイドは少なくない労力を支払っていることと想像します。リモートワークを取り入れた結果、成績が上がった個人や、売り上げ金額が上がった企業はどれくらいあるのでしょうか?僕はそれが疑問です。今の状況は、仕事の生産性が上がったのではなく、個人の生活がちょっと豊かになったというレベルだと思います。長期的に一人でいるのが苦手な人は豊かにすらなってない可能性もあります。

 

そして二つ目の「リモートワークは真に仕事の生産性を上げるのか?」問題は、この状態が長期的に続いた場合、生産性の最大値が徐々に低下していってしまうのではないかと考えています。今、「俺たちはリモートワークができている」と思っている人たちはだいたいが30歳とか40歳とか、自分でどんどん仕事をすすめていける世代、自走できる人たちではないでしょうか?自分ができていればOK。仕事とって納品できてるからOK。しかし、それらの多くは、自宅の狭い部屋の中だけで完結できることが多数を占めているのではないでしょうか?手元に来たものを処理して投げる。以上。みたいな。誤解を恐れず言えば、それ仕事じゃなくて作業なんですよ。決まったことを決まった手順で決まった期間に仕上げるっていうのは、仕事じゃなくて、作業なんですよ。作業。それだけやってても何にもなりません。いつかなんらかの事情で作業がなくなって終わり。(担当が変わったとか、機械化されたとか、契約切れたとか、消滅の可能性は無限にあります)長期的にはいつかアウトになる。仕事というのは、無から有を生み出すことです。何もないところから価値を生み出すこと。これを個室でやることは至難の技だと思います。「人はひとりでは生きていけない」という言葉があるように、この部分はなかなか難しい。だれかと会ったり、直に言葉を交わしたり、一見無駄なやりとりをしたり、リアルな体験を通して、試行錯誤してこそ、新しいアイデアや、新しい価値を生み出すことができます。一人で狭い部屋にいても、なにも新しい要素が生まれません。人間が動物である以上、画面の中の映像と、五感をつかった体験では大きな差ができてしまいます。今はまだ、過去体験した「リアルな感覚」のストックを少しづつ切り崩しながらだましだましやっている状態にすぎません。徐々に生産性は低下していくことは避けられないでしょう。

 

30歳40歳の人たちは最低でも作業ができているとしましょう。そこから進化しなくても運良く逃げ切ることができるかもしれません。自分の自由時間を増やすことで生産性が増した!という錯覚に陥ったまま幸せに暮らすことができるかもしれません。しかし、問題なのはその次の世代。25歳以下のまだ半人前の若手です。具体的な現場を知らないまま、引きこもって作業する力もつけることができず、リモートワークという有給休暇を取り続けています。この点においてはまだまだ十分にリモートワークが機能していないと感じていますし、僕自身具体的な解決策を見いだせないままここまで来てしまいました。ただ、「人間ははひとりでは生きていけない」という説を信じるのであれば、引きこもって一人で作業するということは、多くの人にとって長期的に得策ではないというこは確かなんじゃないでしょうか。