代々木ではたらく

これからの働き方を考える

やってる感の醸出、

縦社会って「やってる感」が必要でつらいね。

 

久しぶりに出張仕事に行った。普段、出張の仕事なんてほとんどない。というか、頼まれても行けない。そもそも、完全にスケジュールが空いている状態は1月先くらいになる。1日の中でみても、沢山の仕事が平行しているおかげで、24時間のスケジュールがパズルみたいに複雑に組み合わさっている。1つの仕事を進行している間に、一瞬違う仕事を入れたり。進行を最適化するために、優先順位がころころ変わって行く。そんな毎日の状況で出張など入れる余地はない。1日に1つの仕事だけしかしないなんてありえない。出張してしまったが最後、いろいろな要素に振り回されることになる。無駄な移動や、相手の都合、天候、謎の待機など不確定要素が増え、自分で時間をコントロールできなくなる。10分あれば違うことができるのに。それが制限されるのは致命的だ。

 

今日は「やってる感」の醸出について。今夜もよろしくおつきあいくだしあ。

 

人の目にさらされるとパフォーマンスが低下する

出張の仕事が嫌なのは、拘束されて別のことができなくなることだけではない。もう1つ大きな理由がある。誰かの現場に行って人前で作業するのは、監視されている感じが嫌なのだ。普段は全くそんな環境ではなく自由に仕事をしている。誰にも口出しされない、自分にあったやりかたで最適に進められる。しかしその日は久しぶりに他社に行って作業をし、上の立場の人間の目にさらされながら仕事をした。そこで、この嫌な感じを思い出した。会社員は常に上下関係の目にさらされているのか!。これはきついね。これだけで、パフォーマンスが10%低下している気がする。そんなの気にしないほどメンタルは強くないぞよ。

 

やってる感を出す

誰かに見られながらの仕事は無駄なことを考えてしまう。このやり方でいいのか?もしベストな仕事をしていても、その組織のやり方に沿っていなければいけないのではないか?ちょっと手が空いた瞬間も怠けているように見えてはいけない。そんな思考に陥る。やっている感を出さなければ!と思い始める。謎のファイル操作、謎の時間のかかる作業、謎仕様の追加、本当に必要なことではない謎の行動を増やし、やっている感を醸出する。なんとこれに残業代がついたりするのだから面白い。会社員最高。

 

やってる感=努力(謎の)

結果よりもプロセス。努力さえしていれば評価されるという風潮が「やってる感」を必要とし、無駄な作業を増やしている。成果物で評価せず、年功序列のようにどれだけ会社にいたか、どれだけ残業したかで評価していたら、いつまでたっても「やってる感」を出すやつはいなくならない。とある広告代理店では、成果物に何も問題がなくても、とりあえずリテイクを出す。何回リテイクを入れてやった。みたいなことも行われていたと聞いたことがある。それは昔の話だと思うが、今もしこんな事をやっていたら即終了だ。

 

フリーランスはやってる

フリーランスの人で「やってる感」を出す人はほとんど見た事がない。フリーランスは成果のみで判断されることがほとんどだ。シビアな世界の住人は「やってる感」を出すことは時間の無駄だということを理解している。それに、本当に「やってる」から「感」を出す必要がないのだ。縦社会で必要だった無駄な労力がいらない。これは大きなメリットだと思う。それだけでパフォーマンスが10%アップしそうだ。

 

「やってる感」が必要な現場っていうのは本当に日本の生産性を下げていると思う。