代々木ではたらく

これからの働き方を考える

10代を悩ませているもの、

 

10代は今、何を考え、何を悩んでいるのか?それを少し知っておくと、5年後、10年後が見えてくるのではないか?。彼らが社会に出たとき、世の中はどうなっているか、そう思って少し調べ、数日間100人ほどの事例を見て、ボリュームの大きいものをひろってみた。

 

不登校への悩み。

クラス内での孤立について。

勉強できないとおしまい。

周りからどう見られているか。

バイトがうまくいくか不安。

 

多くの悩みを見ていて気になったのは、学校や勉強することへの強いこだわり、そして他人からどう見られているのかを気にしている人が多い印象があった。そしてとにかく視野が狭い。学校の中、家庭の中でしか生きられないと考えている。とても危険な思考だと感じた。これでは10代の可能性を最大限に活かすことができない。

10代は新しいことをスポンジのように吸収する。教えるとすぐに自分の考えとして受け入れる。この吸収の良さは勉強するにはとても効果を発揮するのだが、時にマイナスの方向に働いてしまう。今いる環境の善し悪しにとても影響されてしまうのだ。運悪く、古い考え方を教えられてしまうと、前時代的な悪しき習慣をそのまま受け継いでしまう。実際に前時代的な考え方の生徒が数人いた。学校が全て、勉強が全て。でも学校に行きたくない、勉強したくない。矛盾を抱えながら悩み苦しんでいる。

 

僕の素直な感想は、「え?未だに学校しか生きる場所が無いという思考なのか!」と本当に驚いてしまった。誰がこんな思考を植え付けているんだよ。まったく。

 

なぜ学校や勉強にこだわるのか。

10代の致命的なところは親や学校、周囲の環境を自分で選べないことだ。今いる場所が古い考え方で満たされていると、そのまま古い考えを受け継いでしまう。「絶対学校に行かなければならない」「絶対勉強しなければならない」と教えられてしまうとそれ以外の選択肢がなくなり、そこから外れられないという感覚が出来上がってしまう。脱線は全ての終わりを意味する。「勉強しないやつは悪」という理由で不登校の人を叩く人もでてくる。どんどん視野が狭くなっていく。

 

多数の勉強方法、生き方の提示。

1つの選択肢しか選べない生き方はとてつも無いストレスがかかる。考え方は1つではない。いろいろなやり方があると知ってほしい。いろいろなやりかたがあると教えてほしい。10代なんて無限の可能性がある。それを狭めないでほしい。親や先生が知っているやり方なんて無限の解法のうちの1つか2つでしか無いしもう時代遅れなんだよ。

 

世代をこえて話し合える機会を。

少子高齢化が進み、ただでさえ若者が少なくなっていく。優秀な人間の絶対数も減っていく。みんなが貴重な存在で、みんながヒーローになってほしい。そのためには、視野を広く持っていろいろな生き方があると知ってほしい。

今10代に接しているのは誰だろう?学校の先生や地域の人?30代半ばから50代くらいがボリュームゾーンだろうか。時代の変化が加速している中で、40から50代の考え方を受け継ぐことは少しリスクがある気がしている。この世代の方には大変恐縮だが、時代は変わるので申し訳ない。(もちろんその世代から学ぶべきことも数多くある)その時代時代に受け継ぐべきこと、学ぶべき考え方、必要なことが変わっていく。

これは古い考えを受け継ぎたくないという話ではない。先生や親の世代だけでなく、いろんな世代の考え方を知ってほしいのだ。 先に述べたように、多くの選択肢から選んでほしいという話だ。世界は広いということを知ってほしい。学校の中、家庭の中、会社の中だけが世界ではないということを。

 

知っていることを共有する。

時代によって生き方も暮らし方もどんどん変わる。前よかったことは、今いいことかどうか分からない。そして世代によって、立場によって知っていることが違う。それをもっと共有できたらどんなにいいか。誰かの問題は、必ず誰かが解決できる。もっと話しあって、もっと知恵を共有しよう。

 

 

おまけ話。

10代の方たちの数多くの質問や悩みを見ていて、1つ気づいたことがある。

 質問の時「○○なのですがどうしたらいいですか?」と「××なのですが○○ですよね?」という2パターンの聞き方がよくある。後者は質問でなく同意だけを求めた問いかけになっていて、「正解」を回答してもそれを「正解」と見なしてもらえない。これは分かりやすい事例なのだが、悩み相談を受けるときの受け答えの参考になった。「正解」と「最適解」は違うのだ。